


アーセナルが、昨季プレミアリーグ王者のマンチェスター・ユナイテッド(以下マンーU)に前節2対1と完勝したので、不調から抜け出したと信じた私が甘かった。
15日ホームでアストン・ビラに0対2と完敗。これで今季13試合で既に4敗。優勝の望みは消えたに等しいだろう。
その理由を見つけるのは簡単かも知れない。アデバヨールは怪我あがりで途中出場。エドワルド、ファン・ペルシが怪我のためFWの駒不足。MFのロシツキーも怪我。
アーセナルは、ボールをきれいにパスしながら相手を崩すスタイル。時にその信じられないクオリティーに見る者は驚愕する。しかし、パスが回らなくなると途端にチームの調子がおかしくなる。
王者マンーUに勝ったと思えば、昇格組のハル、ストークに敗れる。今のアーセナルには強さに継続性が無い。
サッカーではこれを"inconsistency"と言う。強さに継続性があるものが優勝するのだが、そういうチームを"consistency"と表現したりする。
アーセナルの素晴らしいパスサッカーを見るのは、楽しい。いわゆる娯楽性が高い。それに強さが加わったとき、勝者の資格とエンターテイメントの王者が両立するのだろう。
だが、サッカーで娯楽性(entertainment)と強さ(strength)を両立させるのは、はなはだ難しい。
その両方を求めたチェルシーのオーナー、アブラモビッチは強さに飛びぬけたモウリーニョ監督に娯楽性が足らないとして切り捨てた。
今季、アーセナルがトップ4から堕ちた時、ベンゲル監督はどうなる?
山田一仁