山田一仁 公式フォトブログ - Kaz Photo [ Photographer Kazuhito Yamada ] -

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アーセナル、強さと娯楽性は両立するか?

November 19, 2008
OE2H0838C.JPG怪我あがりのアデバヨール(左)ではラウルセン(右)との1対1に勝てないことを両者の表情が語っている
  

 アーセナルが、昨季プレミアリーグ王者のマンチェスター・ユナイテッド(以下マンーU)に前節2対1と完勝したので、不調から抜け出したと信じた私が甘かった。

 15日ホームでアストン・ビラに0対2と完敗。これで今季13試合で既に4敗。優勝の望みは消えたに等しいだろう。

 その理由を見つけるのは簡単かも知れない。アデバヨールは怪我あがりで途中出場。エドワルド、ファン・ペルシが怪我のためFWの駒不足。MFのロシツキーも怪我。

 アーセナルは、ボールをきれいにパスしながら相手を崩すスタイル。時にその信じられないクオリティーに見る者は驚愕する。しかし、パスが回らなくなると途端にチームの調子がおかしくなる。 

 王者マンーUに勝ったと思えば、昇格組のハル、ストークに敗れる。今のアーセナルには強さに継続性が無い。

 サッカーではこれを"inconsistency"と言う。強さに継続性があるものが優勝するのだが、そういうチームを"consistency"と表現したりする。

 アーセナルの素晴らしいパスサッカーを見るのは、楽しい。いわゆる娯楽性が高い。それに強さが加わったとき、勝者の資格とエンターテイメントの王者が両立するのだろう。

 だが、サッカーで娯楽性(entertainment)と強さ(strength)を両立させるのは、はなはだ難しい。

 その両方を求めたチェルシーのオーナー、アブラモビッチは強さに飛びぬけたモウリーニョ監督に娯楽性が足らないとして切り捨てた。
 今季、アーセナルがトップ4から堕ちた時、ベンゲル監督はどうなる?

山田一仁