山田一仁 公式フォトブログ - Kaz Photo [ Photographer Kazuhito Yamada ] -

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プレミアリーグ革命的事件発生

September 9, 2008
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レアル・マドリッドがマンチェスター・ユナイテッドのC.ロナウド獲得しようとした際に、放出要員にしようとした経過もロビーニョのレアル不信に影響を及ぼしたらしい。ロナウドと同じ土俵のプレミアリーグでどっちが世界一のプレイヤーか勝負できる。
ロビーニョもまたロナウドと同様ボールをまたぐ、シザースフェイントが得意なのだ。
  
 夏の移籍期間の最終日の9月1日(通常は8月31日だが、日曜日だったため1日延期)にプレミアリーグでアッと驚く大事件が起きた。

   タイの元首相タクシンがオーナーのマンチェスター・シティ(以下マン・シティ)は、彼が首相時代に行った不正等で本国からの身柄送還請求が出ていたため、プレミアリーグではオーナーとして不適格との議論がされていた。クラブの身売りまたはオーナー交代かという噂で、選手の移籍どころではない台所事情。 

   ところが、UAEの投資グループがクラブを買収。それだけでも、びっくりしたのに、彼らは「金は出すから残された移籍期間1日で世界のスターを買って来い」と指示した。その結果が、レアル・マドリッドからチェルシーに移籍しようとしていたロビーニョ(ブラジル代表)を契約寸前に横取り。移籍金もイングランド史上最高額の3250万ポンド(約65億円)。しかも、今季4位以内、来季チャンピオンズリーグ(以下CL)出場、翌々シーズンチャンピオンズリーグ優勝を目標に掲げた。これを革命と言わず何と言う。プレミアリーグは大変な時代に突入。

 プレミアリーグの4強、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アーセナル、リバプールが、この数年間CL常連で、実力で5位以下を大きく離してした。5位以下のグループは、今季はトッテナム、アストン・ヴィラ、ブラックバーン、ポーツマスとマン・シティあたりで争われると私は予想していた。
 特に選手の大半を入替え、刷新したトッテナムが5位グループの先頭を走ると信じていた。が、この革命的大事件で5位グループの筆頭にマン・シティが食い込んで来ると思われる。
 
 CLに参戦するレアル・マドリッドから同じくCLに参戦するチェルシーに移籍すると信じられていたロビーニョが今季CLではなくUEFAカップに参戦するマン・シティに移籍したからには、余程良い条件の給料を掲示されたに違いない。元々、スペインリーグで優勝したレアル・マドリッドからプレミアリーグ2位のチェルシーに移籍しようとした理由は、監督が元ブラジル代表監督のスコラーリだったことと、金銭的条件が良かったからと言われている。
 
 イングランドでは、給料は一般の人も含めて週給でいくらもらえるかという数え方をする。今回のマン・シティ移籍でロビーニョがもらう給料は、週給で16万ポンド(約3200万円)。
 チェルシーの高給取り、ランパード、テリー、バラックあたりが週給13万ポンド(約2600万円)と言われている。ロビーニョは年収で約16億6千万円。チェルシーの3人組が13億5千万円。

 金のためにチェルシーからマン・シティに鞍替えしたと思われても仕方がないが、実情は、レアル・マドリッドが最終的に示した移籍金額をチェルシーが拒否し、残された時間で再交渉をするつもりが、その値段でマン・シティが急遽参入、獲得意思を示したため、レアルは、マン・シティと交渉成立。チェルシーは自分たちだけが交渉相手と思い油断した節がある。金持ちクラブチェルシーがロビーニョ獲得の入札競争に負けたと言う訳だ。
 
 チームの格を比較すれば、都落ちと思われても仕方がないマン・シティへの移籍は、ロシアの富豪アブラモビッチが僅か5年前に起こした革命を、今度はアラブの金持ちが新しい革命を起こしたことになる。

山田一仁