


<スター誕生>
トッテナムは、前節アーセナルをホームで破ったのに引き続き、4月17日首位チェルシーをも圧倒し完勝。2対1という結果以上に内容でチェルシーを凌駕した。
この結果により、トッテナムはマンチェスター・シティ(以下マンーシティ)を抜いて4位に躍り出た。アーセナルがウィーガンに負けたことにより、優勝争いはチェルシーとマンチェスター・ユナイテッドに絞られた。同様にチャンピオンズリーグ出場権を獲得する4位争いがトッテナムとマンーシティで白熱している。
チェルシーとの試合で、相手の守備陣を引き裂いたのは、左サイドハーフのベイリー。
昨季からめきめきと力をつけていたのだが、この試合ではチェルシーの右サイドバック、フェレイラ(ポルトガル代表)をスピードとテクニックで翻弄。チャンスメイクと前半終了間近に1ゴール。フェレイラを後半交代させてしまう。代わりに入ったイヴァノビッチもベイリーの餌食になり、その突破力を恐れてタックルに行ったテリーは退場。
ベイリーはまだ20歳。若干16歳でウェールズのフル代表にデビュー。イングランド代表のカペッロ監督が「ベイルがイングランド人なら」と嘆いているに違いない。山田一仁
<天国と地獄>
4月6日、本田圭佑のCSKAモスクワはチャンピオンズリーグ(以下CL)準々決勝、インテルとの第2戦に0対1で破れ、2試合合計でも0対2となり敗退。本田のアドベンチャーはベスト8で終わった。ベスト16のセビージャとの2試合目では直接FKを決めて8強進出を決める大活躍をしたのだが、インテルとの試合では、1戦目では自分がドリブルしているボールを失い、そこからインテルがカウンターアタックで奪った1点に泣いた。
2戦目ホームで先取点を奪えばチャンスがあった。しかし、試合開始直後に本田がバックパスしたボールをかっさらわれる。たまらず味方DFがファウルで止めたことによってインテルに与えたFKからシュナイダーに先取点を奪われ、試合展開はインテルの思う壺になってしまった。
CLの8強ともなれば、どのチームもハイレベル。レベルが高くなればなるほど、一つの小さなミスが、失点に繋がる。CSKAモスクワを初のCL準々決勝進出に導いたヒーローは、インテル戦では2失点に繋がるミスをしてしまった。天国から地獄へ。
しかし、見方を変えれば本田がキープレイヤーで相手から狙われていたということ。本田を抑え込めば、CSKAの攻撃の芽を摘むことが出来るとインテル、つまりモウリーニョ監督が考えていたと言える。それだけ相手に恐れられる選手に成長したのだ。だが、2つの小さなミスが大舞台では大きな代償になることを彼も身をもって知ったはずだ。
この経験を生かして、次のステップアップに繋げれば良いのだ。
復活のチャンスはある。夏のW杯南アフリカ大会という大舞台が彼を待っている。
山田一仁